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ECCU 2014に参加して    山田美絵子(一般社団法人 国際救命救急協会理事)

34年の歴史を持つECCUは、今回22ケ国からの参加がありました。私たちも2014年6月4日~6日に参加してきました。

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心停止で死亡する数は1年間で50万人、1960年からCPRで救われた人は200万人にのぼる。この学会で、実際に救命された方がオレンジ色のシャツを着て参加していた。CPRは改めて、すばらしい、究極の救急法と感じました。
CPRはニッカーバッカーDr.ら3人が考案したもので、彼らも学会に参加していました。

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更に1988年に開設されたハンスダール(ノルウェー人でCPRの装置などの開発に貢献した方の名前)賞を救命の輪、早期除細動の重要性などで貢献されたジョセフDr.が表彰されました。

ジョセフDr

2015年のガイドラインに向け、様々な発表と質問がありました。胸骨圧迫のスピードと深さの関係、ライセンス取得について、などが議題に上がっていました。
実際に救われた方は、胸骨圧迫の強さが50㎜以上で行われていた。圧迫を早くすると、押し切れず、戻しが悪くなったり、深さが不十分となる。また、疲労から弱くなったり、ペースが遅くなったりすることが多い。そのためにもCPRの質の向上こそが救命率を上げるのに必要と報告がなされました。さらには、AEDのためのCPR中断は10秒以内が望ましいとの報告もあった。
最近の調べで、アメリカでは若者の死が多い。しかし、子供と大人では同じ心臓発作でも原因が違う。AHAでは高校を卒業する生徒はCPRとAEDを必ず受けていることを法制化する考えでいる。また、ライセンス更新は必ず、スキルトレーニングを義務つける事が必要であり、習得したスキルを忘れないためにはシュミレーション・トレーニングあるのみと言い切られ、どこに行っても通じるようなCPRのライセンスの標準化が必要、その高品質のCPRはAHAに望んでいると報告していた。
これらの内容は、最終的に2015年2月にILCORで審議され、10月に発表される予定。

初めてのCPRの、しかもアメリカでの学会に参加し、聞きなれない英語を自分なりに解釈しました。簡単に言えば、2010年のガイドラインが大きく変化したので、今回のガイドラインでは大きな変化はなさそうです。胸骨圧迫の速度、AEDの赤ちゃんのJ数、CPRの標準化や法制化あたりが提示されると思われます。
今回は見るもの見るものに圧倒され、あっという間に終わってしまいました。何も土台のない状態の日本のCPR界の代表で飛び込んだ澤木先生のすばらしさに再敬礼いたしました。来年も最新情報をいち早くお届けできるよう、精進いたす所存です。

 

 

4日は、AHAのDeborah Haileさん、Bobby Walesさん、Pat Smithさんと会合を開き、意見交換してきました。

 

5日は、澤木前理事長・白およびAHAインストラクターが、AHAインストラクターの更新トレーニングを受けたアメリカのAHAトレーニングセンター(HES)の方とお会いしてきました。

HES